うつ病は治るのか
今回はタイトルの通り、うつ病、や不安障害は完治するのかということについてです。
私自身の経験や医療職時代の経験を交えてお話ししたいと思います。
まず、結論から言うと私は調子にムラがあるという状態で完治まではいっていません。今まで職場でみてきた方々についても同じような方が多い印象です。
ただ、これはあくまでも私見なので完治する方ももちろんいます。
この違いは何なのか考えてみた結果、一番は"環境"だと思います。
私は今でも心療内科に通っています。先生に普段は誰にも言えない話を聞いてもらい発散できることもありますが、気持ちが落ちている原因の解決にはなりません。また、何種類か薬を内服しており飲むことで安心感はあるのですが、正直なところ効いているのかは分かりません。
環境や人間関係などストレスが加わると症状が出現します。
どういうことか2例ほど挙げてみます。
【1例目】
うつ病を既往にもっていた患者さんが入院していました。その方は帰りたいと毎日言っていました。正直なところ退院できるレベルではありましたが、家族の希望からなかなか退院することができませんでした。
入院時にはさほどうつ症状は感じませんでしたが、次第にうつ病の症状は悪化していきました。ご飯も食べず、表情もなくなり、部屋から出ることもなくなっていきました。急に泣き出すこともありました。
このままではよくなる所か状態が悪くなる一方ということで、家族に面会に来てもらい退院を勧めました。その方は無事退院が決まり、その結果ご飯を食べるようになり笑顔もみられることもありました。退院後は私たちには分かりませんが、想像としては症状は入院時より落ち着いたと思います。
【2例目】
これは私の話になります。冒頭にも述べた通り、私は元医療職です。新卒で入社した病院でうつ病を発症しました。10年勤め、受診し始めたのは退職する1年前でしたが、今考えれば入社後5〜6年目には発症していたのではないかと思います。
心と身体の限界を感じ退職を決意。しばらく仕事をせずリフレッシュし、再び医療現場に就職しました。
決して悪い職場ではなかったのですが、出勤1日目で人と関わることに大きなストレスを感じ、休んでいる間は落ち着いていた症状が再発しました。
前職場のトラウマなのか、何が原因なのか私にも分かりませんでしたが、私にはもう医療職は無理なのだと感じ医療の現場から退く決意をしました。
患者さんや他職種などたくさんの人と関わらなくていいと思うと心は安定します。今の選択をしてよかったと心から思っています。
このように、一度は落ち着いた症状も自分にとって大きなストレスとなる出来事があると再び症状が現れることがあります。
ストレスを溜めない、避けることは生きていく上で難しいことです。
ただ、自分に合った環境を模索し何とかストレスを最小限にすることを一番に考えることが大切だと私は考えています。
一生に一度の人生です。自分の幸せを一番に考えて生きていきましょう。
あなたの側にいますか?
今日はうつ病など心の疾患の方が身近にいるという方向けの内容になっています。
前回の記事で、誰かに相談できる人、そうではない人と2パターンのタイプがいるという内容を書いています。
その2パターンの方それぞれの対応の仕方について、私の個人的な意見ではありますがお伝えしたいと思います。
【相談できる人の場合】
たくさんの不安やイライラをぶつけてくることがあるかもしれません。それに対して理不尽さや理解できないと感じることもあるでしょう。でも、理不尽なことは自分でも分かっています。不本意なことで、あとから申し訳なさを感じ猛反省をしています。
大切な人に当たってしまった…とさらに落ち込む人もいるのではないかと思います。
そういう時は、イライラに対してイライラで返すのではなく、当たられる側も辛いかもしれませんが訴えを受け止め、傾聴することが一番です。
"傾聴"ということがポイントです。
アドバイスをしたり、指摘することは逆効果になることもあります。ただ、相手の方のお話をしっかり聞いて、肯定してあげてください。
大変だったね。辛かったね。その言葉だけで十分です。また、言葉でなくても抱きしめるなど、その人に触れるということだけでも安心感を与えることができます。
【相談できない人の場合】
きっと人前では明るく、何事もないように振る舞っているはずです。どれだけ身近な人であってもです。これを笑顔うつというようですが、そうであってもやはり気分が落ち込んだり、1人で泣いていることもあるはずです。
近くにいれば、少しの表情や態度でその日の調子が分かる方もいるかもしれませんが、できれば隠したいとその人は思っています。
もしくは、言いたくても言えないと悩んでいます。
ただ、言えない人の中にも2パターンあると思っています。
察して聞いてくれれば話せるタイプ、何事もないように普段通り接してほしいタイプの2つです。
なかなか難しいと思われるでしょう。
何かあった?と聞いた時に、どういう返しをしてくるかで決めるといいと思います。
言えないけど言いたいという人はその言葉で言いやすくなります。言えない人からすればこれほど嬉しい言葉はないでしょう。
一方、言いたくない人の場合は何でもないと言うはずです。そう言われたらその人はまだ言えるタイミングではないということです。言えるまで待ってあげてください。
だからといって気を使ったり、何もないのかで終わらせるのではなく、どこか一緒に出かける、美味しいものを食べるなど気分転換を一緒にするといいと思います。
何気ない話をして一緒に笑うこと、楽しむことそれが大事なことなのです。
どう対応すればいいのか…と悩んでいる方に少しでも参考になればと思います。
1人で抱え込んでませんか?
今日はうつ病など心の疾患を経験した方向けの内容となっております。
人間性格も様々で、困った時や悩みがある時に
誰かに相談できる人、相談できずに1人で悩んで事故解決もしくは悩み続ける人
いろいろなパターンがあると思います。
特に心の病気については家族や友人、恋人など近い人であってもなかなか言えない方もいるのではないでしょうか?
人前では明るく振る舞い、何もないように見せてはいるものの、1人で抱え込んで、夜眠れなくて辛くて涙が出る。食欲がなくなって、何をしても楽しいと思えない。何のために生きているのか分からない。そして、話をしないと人には伝わらないのに、なんで分かってもらえないのだろうと理不尽にイライラしてしまう。
そんな負のループに陥ってなかなか抜け出せない。
(ちなみに私はそういうタイプです。)
心配をかけたくない、腫れ物みたいに扱われるのも嫌。言ったところで何も変わらない。そもそも知られたくない。
などいろいろな理由があると思います。
私は言えないタイプなので、心療内科に行った際に先生に聞いてもらう以外に人に話すことはありませんでした。
ただ、やはりそれでも全てを話せる訳ではないですし、それだけでは完全ではありません。
そのため、吐き出す場として私は日記に文字としてその時に感じたことを全て書いていました。
誰にも見られないので何を書いても構いません。
それだけでも少しは、はけ口として有効なのかなと思います。
この人なら言えるという人がいる方は、聞いてもらうだけでも気持ちは楽になるでしょう。
特に同じ経験をした人がいればより理解してもらいやすいです。
なかなか話すという1歩が難しいのですが…
一つ言えることは、同じ経験をしている人はたくさんいます。もしこれをみて下さっている方がいるなら、あなたは1人ではありません。
あなたの辛さ、苦しさは痛いほど分かります。
何ができる訳ではありませんが、同じ人がいるというだけでも少しこの文章に意味があればいいなと思っています。
そもそも、うつ病・不安障害って何?
最近ではネット情報も普及しており、ご存知の方は多いかと思いますが、今日はうつ病と不安障害について少し説明しようと思います。
【うつ病】
うつ病は15人に1人が経験したことがあると言われているほど、日本人には多い病気です。
日本人は真面目でという性質もあることから多いのかもしれません(個人的意見ですが…)。
症状としては
・気持ちが落ち込む
・今まで楽しかったことが楽しいと感じない
・イライラする
・死にたいと思う
・食欲不振、体重の減少
・眠れない
・集中力、記憶力の低下
など、心や身体に様々な症状が現れます
【不安障害】
不安障害の方がうつ病に比べて聞き慣れないかと思うので、少しこちらの方を詳しく説明します。
最近では、HSPというのをよく聞くようになりました。これは病気ではなく、環境や刺激に対して敏感な"気質をもっている''という意味で感受性の高い人と言われています。なので不安障害とは少し意味合いが変わってきます。
不安障害は大きなくくりとされ、その中に全般性不安障害、パニック障害、脅迫性障害、社会不安障害など人によって様々あります。
(私の場合はパニック障害、脅迫性障害でした)
症状としては
・動悸がする
・息切れがする、息苦しさを感じる
・汗が出る
・吐き気
・めまい、ふらつき
などで、これらの症状は過度な心配や緊張、恐怖にによって引き起こされ、それにより生活に支障が出ることを不安障害といいます。
なので、人によって苦手な場面やストレスのかかることなど症状の出る場面は様々です。
私の場合で説明すると…
・仕事の日の起床時
・仕事に行く道中
・他人に聞かれている状態で電話や話をする
・人に見られている中仕事をする
・人前で発表をする
・運転中(事故を経験したため)
上記の場面では動悸、息苦しさがありました。
また、私には脅迫性障害もあり
・忘れ物がないか、予定に間違いはないか、間違ったことを人に伝達していないかなどを何回も確認する(特に仕事関係)
といった症状がありました。何度確認をしても大丈夫だと確信するまでは、ものすごく不安で仕方がありませんでした。
私の場合は仕事でのストレスが大きかったのですが、人それぞれ学校や家庭環境、人間関係などによって症状の出方は様々あるかと思います。
このように目には見えないことなので、本人にしか分からない辛さもたくさんあります。
普段は普通に過ごしているから本当に病気なのかと思われる方もいるかもしれません。
私自身、他人には理解しづらいのだなということを重々経験してきたからこそ、多くの人に知ってもらいたいと思います。
私がうつ病になったきっかけ
今回も、自己紹介として私自身の経験を書いていこうと思います。
私は小さい頃から苦手なことが多く、最近よく耳にすることが多い、HSP体質だったのだと思います。
・友達ができるのに時間がかかり、4人以上いると上手く話せない
・人前で話すことが苦手
・授業で当てられると思うと緊張がとまらない
大人になってもそれは変わらず
・電話対応が苦手で極度に緊張する
・医療職だったのでたくさんの人と接したり、患者さんと接しているところを同僚に見られると緊張して上手く話せない
・機嫌が悪い人に話しかけなければならない場面ではなかなか声をかけられない
など、どうして自分が医療職になったのだろうと思うほど苦手なことばかりでした。
就職して数年が経った頃、朝起きると何とも表現できないくらい身体が重い、職場に着くまでの道中は動悸がとまらないなどの症状が出てきました。
そして、心療内科を受診するきっかけとなったのが、メニエール病になったことです。
朝起きると嘔吐とめまいで動けず1週間入院、それからもめまいはおさまらず約半月ほど仕事を休みました。
医師からはストレスによるものだろうと言われ、入院のストレスからさらに動悸も強くなったので心療内科を受診することに決めました。
最初の診断結果は[不安障害]でした。
薬を処方され、毎日服用していましたがやはり身体が重たさや動悸はなかなか改善されませんでした。
それどころか、だんだんと注意力、記憶力が悪くなり、何が悲しいのか分からないのに涙が出てくる、何もする気にならない、死にたいと思うなど心にも身体にも様々な症状が出てくるようになりました。その頃には体重は6キロ程落ちていました。
そして、[うつ病]と診断されました。
もう限界だと思い、私は休職することにしました。すると、あれだけ鉛のように重たかった身体はかなり楽になりました。
休職は3ヶ月ほどしましたが、やはり戻ることは困難で結局退職するという選択をしました。
現在でも、病院には通っており内服も続けています。気持ちにもムラがあります。いい日もあれば悪い日もある。何か少しでも嫌なことがあればとことん落ちる。病気なのか性格なのか、こんな自分と一生付き合っていかなければならないのかなと嫌にもなります。
ただ1つ、私の経験から言えることは薬だけではどうにもならないということ。
自分に合わない環境は変えること。
これが1番なのではないかと思います。
逃げると言うと言い方が悪いのかもしれませんが、逃げ道を作ること。これを選択肢の1つとして持っておくのは何にしても必要なことだと私は思います。
職場を辞めることはかなりのエネルギーを使いました。何回も引き止められ、その度にまた話をする。すごく辛い経験でした。
しかし、辞めたことに後悔はありません。
環境を変え、少しでも自分がいい方に変わることができたからです。
これからもまだまだいろいろなことが起こるのだと思います。
しかし、人生終わりがこない限り生き続けなければならない。
1度きりの人生は自分のものです。
私は周りに気を使うのではなく、自分にとって最善の選択をすること、これを大切に生きていこうと思います。